
青い上着の男の肖像
作品情報
ストーリー
この肖像画が1929年、収集家ジョージ・ニクソン・ブラックの遺贈品としてボストンに来たとき、そこには有名な名前が添えられていた。描かれているのはチャールズ・ジェームズ・フォックス、ウィリアム・ピットの長い政権のあいだ庶民院で野党を率いたホイッグ党の雄弁家だ、というのである。いま美術館は人物の名を挙げていない。題は「青い上着の男の肖像」、制作は1790年頃、ローレンスが世に出て間もない時期とされている。
来歴がたどれるのはその一世紀後、ヨークシャーからで、そこにもまたフォックスの名がある。サムソン・フォックスはリーズの技術者で、蒸気船と鉄道の分野で富を築き、ハロゲートの市長を三年続けて務め、1891年にはロンドンの王立音楽大学の新しい校舎の建設費を出した人物である。この肖像画は彼の持ち物だった。その後、ロンドンの二つの画商、ヴィカーズ・ブラザーズとアーサー・アッカーマン・アンド・サンを経て、ブラックのもとに届いた。




