
Giorgione · PD
若者の肖像
作品情報
ストーリー
ジョルジョーネはヴェネツィア絵画の大きな謎の一つだ。1510年ごろ、おそらくペストの流行のなかで若くして世を去り、いまも議論の絶えない数点の絵しか残さなかった。この若者もそうした謎の一つである。長らく実在の人物、詩人で法律家のアントニオ・ブロッカルドとされてきた。手前の欄干に記された銘がその根拠だった。ところがその銘は後世の偽作と判明し、名は再び失われた。若者は片手を胸に当てている。静かで内へ向かう仕草で、表情はもの思わしげとも悲しげともつかない。欄干の下には小さな標章が並び、そのなかに花輪をかぶった三面の頭部がある。思慮深さ、すなわち賢慮を表すものだ。描き手自体も定かでなく、この絵をジョルジョーネではなく仲間の画家ジョヴァンニ・カリアーニに帰す研究者もいる。




