
Jacques-Louis David · PD
ラヴォアジエ夫妻の肖像
作品情報
ストーリー
化学者ラヴォアジエと妻マリー・アンヌが、書斎で向き合っています。テーブルには実験に使うガラス器具が並び、夫は羽根ペンを手に何かを書きつけ、妻はその肩にそっと寄り添っています。ダヴィッドがこれを描いたのは1788年、フランス革命が始まる前の年でした。ラヴォアジエは酸素の役割を解き明かし、近代化学の礎を築いた人物です。妻マリー・アンヌも単なる伴侶ではなく、英語の論文を訳し、実験器具を精密に描いて夫の研究を支えた協力者でした。夫は徴税請負人でもあったため、革命のさなか1794年に逮捕され、断頭台へ送られます。穏やかなこの肖像には、その後に訪れる嵐の気配はまだありません。卓上に置かれた道具の一つ一つが、鏡のように澄んだ光を返しています。




