
Vincent van Gogh · PD
ガシェ博士の肖像
作品情報
ストーリー
1890年6月、オーヴェール=シュル=オワーズで、ゴッホは医師ポール・ガシェの肖像を二度描きました。最初の一枚では、テーブルに黄色い小説が二冊置かれていますが、この二枚目には本もグラスもなく、赤いテーブルにジギタリスの小枝があるだけです。最初の一枚は現在、個人の所蔵です。こちらは医師の家に残り、1949年、息子ポールと娘マルグリットがフランス国家に寄贈しました。ところが、この来歴こそが疑いを招きます。ガシェ父子は自分たちでも絵を模写しており、ゴッホの手紙には二枚目の肖像についての記述が見当たらないのです。そのため真筆を疑う研究者もいましたが、オルセー美術館は本物と認めています。ジギタリスは心臓の薬の原料になる植物です。調査で、その花は赤いレーキ顔料と群青で描かれていたことがわかりました。赤が退色したため、いまは青みがかって見えます。




