
Didier Descouens · PD
ジャン=ピエール=フランソワ・ジリベールの肖像
作品情報
ストーリー
この生真面目な面もちの青年を描いたとき、アングルはようやく二十歳を過ぎたばかりだった。ジャン=ピエール=フランソワ・ジリベールは幼なじみで、二人はフランス南部のモントーバンで育ち、ジリベールはのちに医師となる。肖像は1805年ごろ、画家にとって苦しい時期の作である。彼は1801年に名誉あるローマ賞を得たが、財政の逼迫した国家は渡航を何度も先延ばしにし、アングルは1806年までパリで待たねばならなかった。その待機のなかから、この簡素で張りつめた像が生まれた。褐色の上着、高い白襟、黒いネクタイ、顔から目をそらさせる装飾は何もない。絵は今、二人の故郷モントーバンにある。画家は晩年、アトリエに遺したものすべてをこの町に贈った。




