
Jacques-Louis David · PD
レカミエ夫人の肖像
作品情報
ストーリー
革命後のフランスがナポレオンの統領政府へと落ち着きつつあった1800年、パリの社交界の花はジュリエット・レカミエだった。20代前半の銀行家夫人で、その邸宅のサロンには政治家も文人も集まった。ダヴィッドは彼女を古代ギリシア風に描いている。素足で、装飾を削ぎ落とした寝椅子に横たわり、髪はまとめ、白い衣をまとう。当時流行していた「ギリシア趣味」そのものの姿だ。背もたれの片側が高く反り返ったこの型の長椅子は、のちに彼女の名をとって「レカミエ」と呼ばれるようになる。ただしダヴィッドはこの絵を仕上げていない。モデルの気が短く、しかも彼女が弟子のジェラールにも同じ主題を描かせたことに画家が腹を立て、筆を置いたと伝えられる。背景は塗り残され、右手の燭台だけが灯りのないまま立っている。




