
Giovanni Battista Cima da Conegliano · PD
聖母マリアの神殿奉献
作品情報
ストーリー
この場面は福音書には出てこない。ひとりで神殿の階段をのぼる少女は、三歳ほどのマリアである。その物語は中世に広まった外典に由来し、聖書そのものにはない。この伝承によれば、両親は彼女を神に捧げるためエルサレムの神殿へ連れて行き、幼子は自分の足で階段をのぼった。1496年ごろに活動したヴェネツィア派の画家チーマ・ダ・コネリアーノは、すべてを建築のように静かに整えている。くっきりした階段、円柱、間隔をとって配された人物、そして奥には、故郷トレヴィーゾ近郊を思わせる明るい丘の風景が広がる。誇張はない。視線は、上方で司祭に向かって進む小さな姿へと注がれる。巨大な建物の前に、ただひとりで。




