
ヴァチカンのラファエロ
作品情報
ストーリー
ローマを描き、ローマで仕上げられた絵である。オラース・ヴェルネは1832年、ヴィラ・メディチのフランス・アカデミー院長を務めていたときにローマでこれに署名し、ほかの七点とともに1833年のサロンへ送った。題材は、フランスの学者カトルメール・ド・カンシーが1824年に出したラファエロ伝から採っている。ヴァチカンのサン・ダマソの中庭、ラファエロが装飾したロッジアの下で、若き巨匠は間に合わせの画架を立て、子を抱いた農婦を素描している。弟子たちがそのまわりに群がる。左下の人物は好敵手ミケランジェロで、様子をうかがっている。戦闘や騎兵の突撃で名を馳せた画家にとって、高さ4メートル近いラファエロの物語画は、最も格の高いジャンルへの挑戦だった。フランス政府は1833年2月に画家から直接この絵を買い上げ、存命画家の作品を集めたパリのリュクサンブール美術館に長く掛けたのち、ルーヴルへ移した。




