
Peter Paul Rubens · PD
ロコックス三連祭壇画
作品情報
ストーリー
1613年のアントウェルペンは、めずらしく穏やかな時を迎えていた。十二年休戦が北部諸州との戦争をひとまず止め、数十年の混乱を経て、カトリックの教会にふたたび絵が掛けられていく。その一息つく時期に、イタリアから戻って間もないルーベンスは、きわめて私的な注文を引き受けた。友人でありアントウェルペン市長でもあったニコラース・ロコックスと、その妻アドリアーナ・ペレスのための墓碑の絵である。中央の板には、復活したキリストが三人の驚く男たちに自らの傷を示している。この場面は古くから「聖トマスの不信」と呼ばれてきたが、その解釈をめぐって研究者の意見は分かれている。両翼に描かれているのは夫妻その人で、ひざまずき、夫は聖書を、妻はロザリオを手にしている。1794年、フランス軍はこれをルーヴルへ持ち去り、アントウェルペンに戻ったのは1815年のことだった。




