
El Greco · PD
パドヴァの聖アントニオ
作品情報
ストーリー
エル・グレコがこの画布を描いたのは1580年ごろ、大聖堂の町トレドに腰を落ち着けて数年後のことで、彼は残りの生涯をこの町で過ごす。ここへ至るまでの道のりは長かった。クレタ島に生まれ、はじめはギリシア正教のイコン画家として学び、その後ヴェネツィアとローマで幾年も過ごして、ティツィアーノ、ティントレット、ミケランジェロを吸収した。そのすべてが、ゆるく素早い筆触と嵐をはらんだ空にあらわれている。聖アントニウスはいつもの持物である花咲く百合と開いた書物を手にする。書物の小口に、エル・グレコは故郷の文字であるギリシア文字で署名した。書物の上の小さな幼児キリストの姿は、この聖人の普通の描き方に近づけるため、のちに描き加えられたものだ。




