
洗礼者聖ヨハネ
作品情報
ストーリー
洗礼者ヨハネの手にある銘帯はS字にうねり、ECCE AGNUS DEI、「見よ、神の小羊」と記されている。ヨルダン川のほとりで、自分のほうへ来るイエスを見たヨハネが口にした言葉だ。帯がねじれるところでは、AGNUSの文字が裏返しになり、逆向きに読める。聖人は石の縁に腰かけ、細い葦の十字架を肩にもたせかけている。祭壇画のなかでこの板は上段の聖母の隣にあり、ヨハネは下を見て、聖母の膝の幼子、つまり銘文の「小羊」を指し示していた。さらにその上には、天使に支えられた死せるキリストを描く横長の板があった。1770年の手紙にはまだその名が出てくるが、1780年の記述にはもう見当たらない。1880年代には収集家ウィリアム・グレアムの手元にあったが、その後の行方はわかっていない。




