
El Greco · PD
フランス王聖ルイ
作品情報
ストーリー
描かれているのはフランスのルイ九世、十三世紀に聖地への十字軍を率い、のちに聖人に列せられた王で、敬虔なキリスト教の君主を思い描こうとするとき人々が真っ先に思い浮かべた人物である。エル・グレコは1590年ごろ、王の生きた時代から三世紀を隔てたトレドでこれを描いた。輝く甲冑に深紅のマント、冠と笏を帯び、視線は私たちの脇を通り遠くへ向けられている。かたわらには年若い小姓が、小さく、注意深く立ち、王の顔を見上げている。注文したのは画家の友人ルイス・デ・カスティーリャで、自らの守護聖人を見たいと望んだ。近年の修復によって、背景の奥に一つの町が姿を現した。おそらくトレドそのものである。




