
Titian · PD
聖マルガリータと竜
作品情報
ストーリー
竜に呑み込まれた乙女が、十字を切ると竜の体が裂け、無傷で外へ出てくる。アンティオキアの聖マルガリタの伝説のなかでも、いちばん劇的な場面です。ティツィアーノはその瞬間を、小さな十字架を掲げて怪物の体から抜け出す姿で描きました。この絵を受け取ったのは、のちのスペイン王フェリペ2世です。1552年10月11日、ティツィアーノは当時まだ皇太子だったフェリペに手紙を送り、彼のために描いた聖マルガリタに触れています。その作品がこの一枚だと考えられています。画家はその少し前、アウクスブルクで甲冑姿の皇太子の肖像を描いていました。フェリペは1556年に即位し、マドリード郊外にエル・エスコリアル修道院を築きます。絵は1574年にそこへ運ばれ、以来ずっと同じ場所にあります。ただ画面の傷みが激しく、どこまでがティツィアーノ自身の筆で、どこからが工房の手なのか、専門家にも見極めにくくなっています。




