
Sandro Botticelli, Saint Sebastian, 1474. Wikimedia Commons. · PD
聖セバスティアヌス
作品情報
ストーリー
聖セバスティアヌスは、ペスト除けに祈られた聖人だった。体を貫く矢が、疫病の突然で目に見えない一撃になぞらえられてきたからだ。そしてこのころ、ペストは何度もフィレンツェへ戻ってきた。1474年の初め、この板絵はサンタ・マリア・マッジョーレ聖堂に納められた。ボッティチェッリはまだ30歳前だった。彼は苦痛を描くかわりに、セバスティアヌスに古代彫刻のような静かで均整のとれた体を与える。矢が突き刺さるあいだも、遠い風景を背にほとんど穏やかに立っている。効果は受難というより古典彫刻に近く、それこそがボッティチェッリの狙いだったらしい。裸の木に縛られた聖人は、足もとの小さな人々のはるか上に高く掲げられている。




