
イーゼルの前の自画像
作品情報
ストーリー
1880年代のパリでは、画家を志す女性が国立の美術学校に入ることはできなかった。人体を写生する教室は女性に閉ざされ、学ぶ場は私立の画塾に限られていた。そう考えると、この小さな自画像の飾り気のなさは意図されたものに思えてくる。1885年から1890年ごろ、彼女は自分のイーゼルの前に立ち、仕事着をまとい、筆を手にして、室内へと視線を向けた姿で自らを描いている。画面はおよそ41×33センチと小さく、サロンに送るためというより、手元に置いておくための一枚だ。彼女はこれを何十年も手放さず、1926年、六十代の終わりに自らバーゼルの美術館へ寄贈した。