
Jacopo Tintoretto · PD
聖ヒエロニムス
作品情報
ストーリー
聖ヒエロニムスは4世紀の学者で、一時はシリアの砂漠で隠修士として暮らし、のちに長い年月をかけて聖書をラテン語に訳しました。その訳、ウルガタ聖書は、ティントレットがこの絵を描いた1571年から1575年ごろにも、なおカトリック教会の聖書でした。画家は老人を画面のいちばん手前まで押し出し、窮屈に身をかがめた姿で描いています。がっしりした体は強い光を浴び、背後にはほとんど筆を入れていない暗い風景が広がります。まわりには、ヴェネツィアの人ならすぐに彼とわかる持ち物が置かれています。自ら訳した聖書、枢機卿の衣、そして足のとげを抜いてやって手なずけたと伝えられるライオンです。もっとも、彼が実際に枢機卿だったことは一度もありません。1677年には、ヴェネツィアの収集家ジョヴァンニ・ロエッタがこの絵を所有していました。




