
Henri Matisse · PD
アスフォデルのある静物
作品情報
ストーリー
エッセンのフォルクヴァング美術館は、この静物画を、マティスの作品として初めて美術館に入った一点と位置づけている。描かれたのはおそらく1907年の初め、地中海沿いの町コリウールでのことだ。同じ年の10月には、ドイツのハーゲンにフォルクヴァングを創設していた富裕なパトロン、カール・エルンスト・オストハウスが、パリのベルネーム=ジューヌ画廊からこれを買い取った。12月にはハーゲンでマティスの絵七点を並べる展覧会が開かれている。簡素なテーブルの上で、濃い緑の水差しにアスフォデルが挿され、まわりを絵付けの陶器が囲む。右手では皿にパイプが載り、背後には奥行きのない紫の壁が広がる。1937年、ナチスの「退廃芸術」押収で、すでにエッセンへ移っていた館は近代作品の大半を失ったが、この一枚は残った。1941年には詩人ゴットフリート・ベンがこの絵に寄せて短い詩を書き、冥界の女王プロセルピナに捧げられるアスフォデルをうたった。




