
東方三博士の礼拝
作品情報
ストーリー
アムステルダム国立美術館は、ヤン・モスタールトのこの小さな板絵を1520年から1525年ごろの作とし、三人の王の一人は実在の人物ではないかと考えている。茶色の頭巾付きマントをまとった王を見てほしい。幼子が手を伸ばしているのは、この王の金の杯だ。その顔は型どおりの王にしては個性が強すぎる。しかもこの頭巾付きの旅装は、当時流行したスペイン風の衣服だった。絵の注文主その人かもしれない。次に、聖母の向こうの石の門に目を移そう。小さな灰色の浮彫りが、もう一つの物語を語っている。この誕生を予告するものと解釈された昔の出来事だ。そのなかには、皇帝アウグストゥスに聖母子の幻を示すティブルティナのシビュラや、ダビデ王の父エッサイから伸びるキリストの系図、エッサイの樹がある。手前の杯には、ラテン語で「天の女王よ、めでたし」という言葉が刻まれている。



