
Jacques-Louis David · PD
アキレウスの怒り
作品情報
ストーリー
ナポレオンの失脚後、王政復古のフランスを追われた老ダヴィッドは、ブリュッセルへの亡命生活の中でこの絵を仕上げた。1819年、画家はすでに70歳を越えていた。題材はギリシア悲劇で、総大将アガメムノンが娘イフィゲネイアを、アキレウスとの結婚と偽って生贄の祭壇へ連れ出そうとする場面である。真相を知ったアキレウスは剣の柄に手をかけるが、父アガメムノンは静かな身ぶりでそれを制する。四人の視線と手の動きだけで、この息詰まる駆け引きが語られる。背後に立つ母クリュタイムネストラのこわばった表情が、やがて訪れる破局の気配を漂わせる。




