
El Greco · PD
受胎告知
作品情報
ストーリー
1570年ごろ、のちにエル・グレコと呼ばれるこの若いクレタ島出身の画家は、まだヴェネツィアにいた。トレドの時代も、炎のように引き伸ばされたあの見紛いようのない人物像も、まだ先の話である。彼はクレタ島でビザンティンの流儀に従ってイコンを描き、それからイタリアに渡って、ヴェネツィア派から油彩と遠近法を学んだ。本ほどの大きさしかないこの小さな板絵を見ると、彼が誰を手本にしていたかがわかる。マリアの姿勢はティツィアーノに、渦を巻く構図はティントレットに負っている。習作か下絵のようなもので、モデナの三連祭壇画と関わりがあるとも言われる。数年後、彼はイタリアを離れてスペインへ向かい、トレドに落ち着くと、その画風は奇妙で紛れもなく彼だけのものになっていった。




