
Sailko · CC-BY-SA-4.0
ムーサたちとピエリデスの争い
作品情報
ストーリー
この板絵は幅約91センチ、高さはわずか46センチで、もともと壁に掛けるためのものではなかったと考えられています。ヴェネツィアの家庭で使われた小型の鍵盤楽器スピネットを飾っていたという説が有力で、そう考えると横長の形も主題も納得がいきます。物語はオウィディウスの『変身物語』から取られています。マケドニアの王ピエロスの九人の娘たちが、ムーサたちに歌の勝負を挑んで敗れました。ティントレットが描いたのは判定が下った直後の場面です。負けた娘たちはすでにカササギに姿を変え、楽器や楽譜をつかんだまま画面の外へ飛び去ろうとしています。1540年代半ば、ティントレットは27歳で、来る仕事は何でも引き受けていました。ヴェネツィアでは、長持の正面や天井板、楽器のケースといった家具の絵がその多くを占めていました。そうした絵で、もとの家具に付いたまま残っているものはほとんどありません。この板絵はヴェローナの二人の収集家の手を経て、1871年に市のコレクションに入りました。




