
Jacques-Louis David · PD
テュイルリー宮の書斎のナポレオン皇帝
作品情報
ストーリー
1812年、ジャック=ルイ・ダヴィッドは皇帝ナポレオンのこの肖像を仕上げた。注文したのはフランス人ではなく、ナポレオンを崇拝するスコットランドの貴族、ハミルトン公爵だった。テュイルリー宮殿の書斎に、ナポレオンが立っている。だが絵の随所に、これが真夜中の姿だという合図が仕込まれている。背後の時計の針は四時過ぎ、そばのろうそくは燃え尽きかけ、机の書類には民法典、いわゆるナポレオン法典の文字が読める。国民のために夜を徹して働く統治者、という筋書きである。軍装ではなく、白いキュロットに近衛の制服という装いも選ばれている。乱れた髪と、椅子に無造作に掛けられた上着が、長い夜の名残を伝えている。




