
Ivan Shishkin · PD
森の小川
作品情報
ストーリー
イワン・シーシキンは、同じ世代のだれよりも辛抱強くロシアの森を描いた。1885年ごろには押しも押されもせぬ森の大家であり、移動派のなかで第一の風景画家だった。移動派は、地方の町々をまわってロシア美術を運んだ画家たちである。森の小川は、彼が信を置いた静かな主題そのものだった。劇的なところも逸話もなく、ただ木々のあいだの石の上を水が流れていくだけだ。彼は野外で実物を写生し、それを画室で最終的な一枚に組み立てた。長く見てから決める、という博物学者の癖のままに。この細やかさは存命中から名高かった。シーシキンは草や苔をひとつひとつ名で言い当て、松の樹皮からその齢まで読み取る、と仲間は冗談を言ったほどだ。




