
Camille Pissarro · PD
エラニーの大きなクルミの木、秋、素描
作品情報
ストーリー
1890年ごろ、カミーユ・ピサロは点にうんざりしていた。四年ほどのあいだ、彼は年下のジョルジュ・スーラやポール・シニャックと並んで、細かく分けた純色の点で画面を築いてきたが、この方法はあまりに遅く、絵から自在さを奪ってしまうと感じるようになっていた。これは、パリ北西の村エラニーにある自宅のそばに立っていた大きなクルミの木を、素早く描きとめた習作である。1884年にこの村へ移り住んだ画家は、秋の木を自由で速い筆致でとらえた。ちょうどその年に手放しつつあった、根気のいる点描とはまるで逆のやり方だった。同じクルミの木はエラニーの他の画面にも現れ、冬には葉を落とし、春には芽吹いていて、この秋の習作はそのなかでもとりわけ素早いものの一つである。




