
El Greco · PD
聖霊降臨
作品情報
ストーリー
エル・グレコがこの縦長の大画面を描いたのは、1600年前後、トレドで晩年を迎えつつあったころだ。マドリードのドーニャ・マリア・デ・アラゴン学院の主祭壇画のために注文された連作の一枚で、キリスト昇天ののち、聖母マリアと使徒たちの頭上に聖霊が炎の舌となって降りる場面を描いている。極端に引き伸ばされた身体、天を仰ぐ顔、ちらつく光。人物は不自然なほど上へ上へと伸び、まるで炎そのものに引かれていくかのようだ。反宗教改革下のスペインで、エル・グレコはこうした燃え上がる信仰の高まりを、誰とも似ない様式で描き続けた。画面の一番手前で背を向け、こちらを振り返る人物が、見る者を場面の中へ引き入れる。





