
トマス・ハーヴィー・スキナー牧師
作品情報
ストーリー
サミュエル・モールスとトマス・ハーヴィー・スキナーは、1791年の春、わずか数週間ちがいで生まれました。モールスはマサチューセッツ、スキナーはノースカロライナの海辺の生まれです。1830年代半ば、ふたりはニューヨークの同じ一角に暮らしていました。スキナーは1835年、ワシントン・スクエアに近いマーサー・ストリートの新しい長老派教会を率いるためにこの街へ来て、翌年にはユニオン神学校の創設者のひとりとなります。モールスは創立まもないニューヨーク市立大学、現在のニューヨーク大学で絵画を教え、広場に面した大学の建物で仕事をしていました。この肖像が描かれたのはそこです。証拠はモールス自身の筆で、絵の裏に残っています。1860年3月、友人のウェインライト夫妻にこの絵を贈るときに記した献辞で、彼は1836年か1837年ごろに大学で描いたと書いています。20年以上たって、描いた本人にも正確な年はわからなくなっていたのです。支持体はカンヴァスではなく厚紙です。スキナーは当時、国内屈指の説教者として知られていましたが、モールスは説教壇を思わせるものを何ひとつ描き込まず、黒い上着と高い白襟、そして静かに横へ向けたまなざしだけを残しました。



