
Paul Cézanne · PD
プロヴァンスの道
作品情報
ストーリー
1890年ごろになると、ポール・セザンヌはパリや印象派の仲間からほとんど身を引き、故郷プロヴァンス、エクスの周辺でひとり制作するようになっていた。この斜面もその時期のものだ。角張って突き出た岩の壁は採石場かもしれず、その切り口が地下の地層をむき出しにしている。彼の関心を引いたのは、まさにこのあらわになった構造だった。きれいな眺めよりも、土地そのものがどう組み立てられているかにセザンヌはこだわり、黄土色や灰色、緑の面をぶっきらぼうに重ねて斜面を築いていく。正確な場所は今も特定されておらず、幼いころから知る乾いた土地のどこかとしか分からない。まばらな木々さえ柔らかな葉叢ではなく面として扱われ、斜面全体が一枚の彫り込まれた石のように見えてくる。




