
GoldenArtists · CC-BY-4.0
夏(恋人たちのいる風景)
作品情報
ストーリー
1807年、カスパー・ダーヴィト・フリードリヒは油彩に手を染めはじめたばかりだった。それまでは主に鉛筆やセピアで描いていた。この《夏》は、四季と一日の時刻を人の齢に重ねた連作の一枚で、夏は屈託のない青春の充溢にあたる。だからこそ、木々の葉がつくる四阿の下に身を寄せる恋人たちがいて、鳩が舞い、エルベ河谷の静けさが広がる。彼らしからぬ絵だ。ほんの数年のうちに、フリードリヒは孤独で霊性に満ちた風景の画家となり、無限を前にした小さな人影を描くようになる。翌年には、激しい論争を呼ぶ《テッチェンの祭壇画》を発表する。ところがここでは、すべてが彼の作品には珍しい、ほとんど南国めいた温もりをたたえている。




