
El Greco, The Tears of Saint Peter, 1595. Wikimedia Commons. · PD
聖ペテロの涙
作品情報
ストーリー
1590年ごろ、対抗宗教改革のもとにあった教会は、プロテスタントが退けた一点、すなわち告解と悔い改めの価値を強く説いていた。トリエント公会議がそれを確認したばかりで、悔悛する聖人の図像は信心の道具となっていた。エル・グレコは、涙する聖ペテロを独立した主題に仕立てた最初期の画家の一人である。使徒は半身で描かれ、指を組み、潤んだ目を天へ向ける。鶏が鳴く前に三度キリストを知らないと言った、その悔いに泣いているのだ。夜明けの出来事だと伝えられる場面である。画家はこの構図を何度も描き、サンディエゴの一点は後期に属する。彼はいつものようにギリシア語の名で署名した。クレタ島を離れてトレドへ移ってから数十年後のことである。




