
トビアスと天使
作品情報
ストーリー
1470年代のフィレンツェでは、旅人と癒やし手の守護者である大天使ラファエルに捧げた信心会が次々に生まれ、若いトビアスと連れ立って歩く天使の絵がよく求められました。商人の町にふさわしい物語だったのです。旧約聖書の外典『トビト記』では、異郷に暮らす信心深い老商人が目を患い、息子を遠いメディアへ貸した金の取り立てにやります。神はその道連れとして天使を遣わします。少年は証文と、はらわたを抜いたばかりの魚を手にしていて、腹を裂いた跡が細い赤い線で見えます。物語では天使は親族に姿を変えて旅をしますが、ここでは翼と光輪をつけ、二人の外套が風にはためいています。この板絵はヴェロッキオの工房で生まれ、大部分は名の伝わらない助手が描きました。物語の先で、若者は親族の娘サラと結ばれます。彼女の前の夫七人は悪魔に殺されていましたが、魚の内臓を焼くとその悪魔は逃げ去ります。