
Pierre-Auguste Renoir · PD
ヴェネツィア、ドゥカーレ宮殿
作品情報
ストーリー
左にそびえる鐘楼は、今ヴェネツィアで見られる塔とは別物です。ルノワールが1881年の秋、初めてヴェネツィアを訪れたときに目にした、もとの鐘楼です。このとき彼が選んだのは、サン・ジョルジョ・マッジョーレ島の側から水面越しにドゥカーレ宮殿を望む、町でいちばん人気の構図でした。あまりに多くの画家が描きに来るので、ルノワールは「描く順番を待って少なくとも六人は並んでいた」と冗談を言っています。それでも建物はかなり正確に描かれ、宮殿の薔薇色とクリーム色の壁が、素早い青の筆致でできた空の下で日を浴びています。手前の水面にはゴンドラと帆がひしめいています。サン・マルコの鐘楼は1902年7月に崩れ落ち、同じ場所に建て直された今の塔が完成したのは1912年のことです。




