
Gerard David · CC0
聖母子と四人の天使
作品情報
ストーリー
ヘラルト・ダフィットは1510年ごろ、ブルッヘでこの小さな板絵を描いた。彼が町一番の画家だったころで、ブルッヘ自体はすでに傾きはじめ、港は砂に埋もれ、商人たちはアントワープへ移りつつあった。金色の天上のかわりに、彼は聖母と幼子を石造りの玄関廊の下、現実の見覚えある町のはずれに置いた。その背後にはブルッヘの実際の輪郭が立ちあがる。聖母教会の高い煉瓦の塔と、聖ヤコブ教会の尖塔である。塀に囲まれた庭では、カルトジオ会の修道士が歩きながら本を読む。この修道士が、注文主らしい相手を指し示している。城壁のすぐ外にあったカルトジオ会の修道院である。二人の天使がマリアに冠を授け、別の二人が楽を奏で、ふだんどおりの町は奇跡のすぐうしろで日々の営みを続けている。




