
初代オークランド男爵ウィリアム・イーデン、庶民院議員
作品情報
ストーリー
貴族でありながら庶民院の議員でもある。題名だけ見ると矛盾のようですが、ウィリアム・イーデンは数年のあいだ、まさにその立場にありました。1789年、外交官として国外に赴任していた彼はアイルランド貴族のオークランド男爵に叙されます。アイルランドの爵位は、ウェストミンスターの庶民院に議席を持つ妨げにはなりませんでした。彼はウィルトシャーの小さな選挙区ヘイツベリーの議席を1793年まで保ち、その年にグレートブリテンの男爵位を得て貴族院へ移りました。
彼の経歴は、議場と同じくらい机の上で築かれたものです。1786年にはフランスとの通商条約を取りまとめ、これはいまも「イーデン条約」と呼ばれています。その後はマドリードとハーグで大使を務めました。当時二十代半ばのローレンスは、彼を暗い色の上着姿で椅子に座らせ、羽根ペンの立つインク壺のそばで、手に紙を持たせています。美術館の年代は1792年から1796年ごろという幅のあるもので、画面は高さ約44センチと小ぶりです。1876年、モデルの孫にあたるエルフィンストーン卿がロンドンの競売でこれを手に入れ、2005年にボストンの収集家トーマス・H・リーとアン・テネンバウムがボストン美術館に寄贈しました。




