
ワインツト城
ワインツト, ポーランド
ストーリー
1944年の夏、赤軍が迫るなか、ワインツトの最後の個人所有者アルフレト・ポトツキ伯爵は、屋敷のもっとも貴重な品々を鉄道の貨車に積み込み、西へと去った。9月初めには、彼が残していった部屋が早くも博物館として公開されていた。
建物は1629年から1642年にかけて、大貴族スタニスワフ・ルボミルスキのために、四隅に塔をもつ城館として築かれた。現在の姿は、1783年に夫を亡くしたのち当代一流の建築家たちを招いて優雅な宮殿へと改めたイザベラ・ルボミルスカ公妃によるものだ。いま訪れる人は、トルコの間や中国の間、ロココの彫刻が施された鏡の間、舞踏室をめぐることになる。円柱の間には、イタリアの新古典主義の彫刻家アントニオ・カノーヴァによる大理石像があり、公妃の縁者である若きヘンリク・ルボミルスキをエロスの姿で表している。1784年以前に西翼に増築された小さな劇場は、ポーランドに現存する宮殿劇場わずか二つのうちのひとつである。
もっとも有名な絵画は、クレモナ出身のルネサンスの女性画家ソフォニスバ・アングイッソラが1556年頃に描いた自画像だ。彼女はイーゼルからこちらを振り返りながら、幼子キリストに口づけする聖母を描いている。この絵はおそらくイザベラ公妃が購入したものとされる。城から少し歩いたところにある1902年建造の馬車庫には、城の馬車と橇のコレクションが収められている。
