
ポール・ドラローシュ
1797–1856 · フランス · ロマン主義, アカデミスム, 新古典主義
ストーリー
ポール・ドラローシュは、19世紀にその歴史を、目を離せない劇的な場面の形で与えた。あまりになめらかに描かれているので、まるでその出来事が目の前で起きているように思えるほどだ。もっとも有名なのは《レディ・ジェーン・グレイの処刑》で、在位九日の若きイングランド女王が、目隠しをされ、薄暗いロンドン塔のなかで断頭台を手探りし、そのかたわらで役人がそっと彼女の手を導いている。
当時きわめて人気があったドラローシュは、イングランドとフランスの歴史から取られた、こうした張りつめた涙を誘う場面を得意とした。悲運の王族や囚人たちを、広い大衆に訴える磨き上げた仕上げで描いたのである。のちに批評家たちはその作品を芝居がかりすぎると見なし、彼の名声はかげっていった。
今日、彼は一枚の絵と同じくらい、一つの言葉によって記憶されている。1830年代末の新しい写真、最初期のダゲレオタイプの一つを見せられた彼は、その日から絵画は死んだと叫んだと伝えられる。彼は間違っていたし、自らそれを分かっていたらしく、その後は写真を画家のための道具として称賛した。彼はまた、ジャン=レオン・ジェロームをはじめとする多くの弟子を抱える大きな画塾を指導したのち、1856年に世を去った。





