
Hans Memling · PD
キリストの降臨と勝利
作品情報
ストーリー
一枚の絵の中に、これほど多くの物語がぎっしり詰め込まれた作品も珍しいでしょう。メムリンクがブルッヘのある同信会のために1480年ごろ描いたこの板絵は、聖母マリアの生涯と、幼子キリストにまつわる出来事を、一続きの広い風景の中に同時に並べています。左手前では天使がマリアに受胎を告げ、その先ではベツレヘムで幼子が生まれ、東方の三博士が旅をし、やがてキリストの復活や昇天までもが、同じ丘や町並みの中で起きています。見る人は、道をたどるように視線を歩かせ、次々と場面を追っていきます。細密画の伝統に育ったメムリンクらしく、豆粒ほどの人物や遠くの建物までもが、はっとするほど丁寧に描き込まれています。




