
アモル
作品情報
ストーリー
ここに立つアモルはひとりきりだが、もともとひとりで描かれたわけではない。板の右端に沿って淡い肌の帯が走っている。はるかに大きな人物のすね、つまり母ウェヌスの脚である。この絵は《ウェヌスとアモル》の断片で、いつの時点でか切り詰められ、残りの部分は失われた。残ったのは、弓と矢を持ってこちらに背を向け、肩越しに振り返る少年だ。クラナッハは弓そのものに、自分の印である翼のある小さな蛇で署名している。1663年には、インスブルックを見下ろすアンブラス城にこの板絵が記録されている。ハプスブルク家の名高い美術珍品室があった城で、その収集品はのちにウィーンへ移された。




