アポロンとマルシュアス

アポロンとマルシュアス


作品情報

アーティスト
ヨハン・リス
制作年
1627
技法
油彩

ストーリー

この絵の下敷きにある神話は、ギリシア人が語ったなかでも指折りに残酷なものだ。サテュロスのマルシュアスは笛の腕を上げ、ついに神アポロンに音楽の競い合いを挑んだ。敗れた彼は、罰として生きたまま皮を剥がれた。多くの画家はその惨たらしさ、刃と剥き出しの肉に目を向ける。1620年代の末にヴェネツィアで制作していたリスは、もっと奇妙なことをした。残酷さを霞のような、息をひそめた静けさのなかに溶かし込み、場面を処刑というより、声もない怯えた昂ぶりの一瞬として見せるのだ。形はやわらかく、温かな色は縁でほどけていく。その夢見るような官能は、絵画が広く受け継ぐまでにさらに一世紀を要したものだった。彼が遺したわずかな作品の一つである。

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