
James McNeill Whistler · PD
黒と金の配列:ロベール・ド・モンテスキュー=フェザンサック伯爵
作品情報
ストーリー
詩人でダンディ、パリ社交界の名士だったロベール・ド・モンテスキウ伯爵は、のちにプルーストが『失われた時を求めて』のシャルリュス男爵を造形する際のモデルの一人となった人物である。ホイッスラーとは1885年から面識があったが、肖像画の制作が始まったのは1891年の春、ロンドンのアトリエでのことだった。ホイッスラーは何度もポーズを求め、伯爵のほうは社交の予定で忙しく、画家はそれをこぼしている。完成は翌1892年の夏、パリで借りていたアトリエでだった。黒い服の細身の姿は暗い背景に溶け込みそうで、輪郭を追うにはじっくり見る必要がある。明るく浮かぶのは顔と白い手袋、細い杖、そして腕に掛けたチンチラのケープだけだ。このケープは伯爵のいとこ、グレフュール伯爵夫人から借りたものだった。




