
Kazimir Malevich · PD
黒い正方形(1915年)
音声ガイド
作品情報
ストーリー
1915年末、第一次世界大戦のさなか、革命前夜のロシア。ペトログラードで開かれた「0.10(ゼロ・テン)展」で、マレーヴィチは白い地に黒い四角をひとつ置いただけのこの絵を発表した。彼はそれを絵画の「ゼロ地点」と呼び、対象を描くことをいっさいやめてしまう。会場では、この絵は正教徒がイコンを掛ける部屋の上の角、聖なる一隅に据えられた。神の像があるべき場所に、何も描かれていない四角を置いたのだ。マレーヴィチはこれを至高主義、シュプレマティスムと名づけ、以後、円や十字や四角だけで新しい世界を組み立てようとした。今この絵の黒い表面は無数のひび割れに覆われ、その下からは、彼が塗りつぶす前に書きこんだ文字らしきものが透けて見えている。




