
El Greco · PD
十字架上のキリスト
作品情報
ストーリー
1600年7月、エル・グレコはトレドの工房から完成した祭壇画を運び出させ、荷馬車でマドリードまで運ばせた。生涯で最大の仕事だった。ドーニャ・マリア・デ・アラゴンが創設したアウグスチノ会の学院の主祭壇で、報酬は6,000ドゥカードに少し足りないほど、彼が受け取った額としては群を抜いている。その画面の多くはいまプラド美術館にある。ちょうどその直後の時期、工房はこういう小さな絵も送り出していた。家や小さな礼拝堂で一人で祈るための、人物が一人だけの絵である。ここではキリストが十字架の上にただ一人いて、兵士も嘆く者もいない。エル・グレコがこの主題に必ず与えた暗い雲が広がっている。ゲッティ美術館はこの画布を1600年から1610年の間としており、息子のホルヘ・マヌエルが傍らで働いていた時期にあたる。




