
Peter Paul Rubens · PD
ペテロへの鍵の授与
作品情報
ストーリー
もとは墓の上に掛かっていた絵である。ブリュッセルのサント・グデュル教会にあったニコラース・ダマンの墓所のために、1613年から15年ごろに注文された。ダマンはブラバントの大法官を務めた人物で、1616年に亡くなっている。
ルーベンスはここで二つの場面を重ねた。ヨハネ福音書で、キリストがペトロに「わたしの羊を飼いなさい」と命じる場面。そしてマタイ福音書で、天の国の鍵を約束する場面。この二つを一枚に収めた例は珍しく、前例といえばラファエロがシスティーナ礼拝堂の綴織のために描いた下絵くらいだった。ペトロに託された鍵は教皇の権威の根拠とされてきた主題で、北のプロテスタント側が退けていたものでもある。南ネーデルラントが休戦のもとで旧教を立て直していた時期の注文だった。
教会は1800年にこの絵を手放し、1850年にハートフォード侯爵が買い取っている。




