
母に別れを告げるキリスト
作品情報
ストーリー
受難を前に、イエスが母に別れを告げる。この場面は福音書には出てこない。中世末期の信心書から生まれた主題で、イタリアではほとんど描かれなかったが、アルプスの北、とりわけドイツの版画ではよく見られた。まだ若いコレッジョがこれを描いたのはおそらく1514年より前で、主題の選び方から、彼がどんな版画を見ていたかがうかがえる。白い衣のキリストはひざまずき、母の祝福を受ける。顔も手も血の気を失った聖母は、傍らの女性にもたれかかる。受難のあいだ聖母に付き添ったマリアたちの一人だろう。その背後では聖ヨハネが両手を組んでいる。エックス線調査によると、画家は最初キリストを右側に立たせて描き始め、やがてその構図を捨てて、カンヴァスを上下逆さにして描き直した。




