
Eugène Delacroix · PD
海辺のデモステネス
作品情報
ストーリー
古代の著述家たちによれば、アテナイの弁論家デモステネスは若いころ声が弱く、海辺に出て波の轟きに負けないよう演説を繰り返し、民会の喧騒にかき消されない声を鍛えたといいます。ドラクロワは1859年、この逸話を描きました。
デモステネスは、彼にとってなじみのある人物でした。1840年代半ば、当時フランスの代議院が置かれていたパリのブルボン宮で図書室の天井画を手がけたとき、立法と雄弁を表す人物たちの一人として、すでに描いていたのです。ここでは弁論家がひとり、裸足で波打ち際に立ち、荒れた空の下で波に向かって腕を伸ばしています。
作品は紙に油彩で描かれ、のちに板に貼られました。翌年、パリの画商フランシス・プティの画廊で展示され、好評を得ています。




