
祈る寄進者
作品情報
ストーリー
ここでひざまずいて祈る男は、もとからこの場所にいた人物ではないかもしれない。三連祭壇画の中央の板絵を所蔵するルーヴル美術館は、フランスの美術史家アルベール・シャトレの説を記している。15世紀の終わりごろか、ある聖職者がこの翼の当初の寄進者の上に自分の姿を描かせ、のちに祭壇画を、それが作られたトリノ近郊の小さな町キエーリの病院に遺贈したというのである。
左に描かれた紋章は、注文主と考えられる銀行家の一族ヴィッラ家のものだ。板絵がどのような経緯でサヴォイア公の手に渡ったのかはわからない。1631年に公爵が病院の改修費を出したことへの返礼だったのではないか、という見方もある。いずれにせよ1635年にはサヴォイア家の目録に現れる。




