
John Everett Millais · PD
エステル
作品情報
ストーリー
エステルは、ペルシャ王の玉座の間へ召されぬまま踏み入ろうとする聖書の王妃である。それは命を落としかねない一歩で、彼女は自分の民のために願い出ようとしている。ミレーが彼女を描いたのは1865年、そしてこの驚くような黄色の衣には、ごく最近の、たいそう奇妙な由来がある。もとは中国皇室の黄色い上着で、イギリスの軍人チャールズ・ゴードンが太平天国の乱の鎮圧に力を貸したのち、皇帝の宮廷から贈られたものだった。ミレーはそれを借り受け、裏返しにした。すると龍や記章は溶けて、純粋な抽象文様になった。その周りに彼は深い青の布と淡い色の柱を配した。この時期に画家のホイッスラーやレイトンとともに追い求めていた、強い色の対比である。エステルは両手を上げて髪をまとめ、扉の前の最後の一瞬に息をのむ。




