
Frans Hals · PD
ジプシーの少女
作品情報
ストーリー
17世紀オランダの肖像画は、多くが堅苦しい注文仕事だった。よそ行きの黒い服に、澄ました表情。フランス・ハルスのこの《ジプシー女》は、そのどれでもない。誰かの注文で特定の人物を残したのではなく、ある「型」を描いた絵、いわゆるトロニーだ。襟元を大きく開けた若い女が、こちらを見て笑い、髪は乱れ、姿勢もくつろいでいる。近づくと、頬も髪も服も、素早く重ねた筆の跡がそのまま見える。塗り直して仕上げるのではなく、ひと息に描き切る描き方で、絵具のひと筆ひと筆が動きを帯びている。ハルスの生きたハールレムでは、こうした肩の凝らない人物画が、ひとつの売り物になっていた。




