肌色と赤のハーモニー

James McNeill Whistler · PD

肌色と赤のハーモニー


作品情報

制作年
1869
技法
油彩
種類
絵画
寸法
39.69 × 35.56 cm

ストーリー

長いあいだ、ホイッスラーがこの絵を何と呼んでいたのか誰も知りませんでした。生前に展示されたことは一度もなく、1929年にロンドンのクリスティーズに現れたときは「テラスの赤い服の三人の婦人」という名で目録に載り、12ポンドほどで売られています。本当の題名は、この絵を撮った古い写真に残っていました。ホイッスラーが1881年頃、その写真に「肌色と赤のハーモニー」と書き込み、蝶のサインを添えていたのです。

テラスはどこにもありません。三人の女性は室内にいて、二人が座り、一人が立っています。みな珊瑚色の赤いドレスに淡い色のストールをまとい、桃色がかった壁には茶とクリーム色の腰板の上に棕櫚の団扇が掛けられ、床には青と白の敷物があります。制作は1860年代で、正確な年については研究者の意見が分かれています。ホイッスラーが流行の装いの女性たちを団扇や敷物や磁器のあいだに配した群像を試みていた時期です。細かく描かれているのは中央の女性の顔だけです。絵具は厚くクリーム状で、筆づかいは荒く、輪郭はあちこちで描き直され、壁にはさらに五つの団扇が絵具の上から蠟のクレヨンで描き足されています。

1930年にはロンドンのイースト・エンドを描いた小説で知られる作家アーサー・モリスンの所有となり、1960年にボストンの美術館が購入しました。左端の小さな蝶のサインは、おそらくホイッスラー自身のものではありません。初期の写真には写っていないのです。

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