
GoldenArtists · CC-BY-4.0
大魚市場
作品情報
ストーリー
この港は実在しない。ヤン・ブリューゲルは1603年、素描にためていたモチーフを組み合わせてこれを作り上げた。その多くは1590年代のイタリア滞在中に描き留めたものだ。美術館によれば、岩の島の上の城塞はナポリのカステル・デッローヴォを思わせ、奥の丸屋根はローマのサン・ピエトロ大聖堂、その下の高い塔はアントウェルペン港の荷役クレーンである。ナポリとローマと画家の故郷が、こうして一つの湾に並んでいる。手前には題名のもとになった魚市場がにぎわい、売り手や籠や買い手が水辺にひしめく。ブリューゲルはごく小さく、ごく精密に描く画家で、近づくと一人ひとりの顔や、地面に並べられたその日の獲物まで見分けられる。このオーク材の板絵は、1799年にマンハイムの画廊とともにミュンヘンへ移った。




