
Pierre-Auguste Renoir · PD
縫い物をするリーズ
作品情報
ストーリー
ルノワールがこの油彩を描いたのは1867年ごろ、二十代半ばで、のちに名を成す軽やかで明るい画風にはまだ遠かったころである。針仕事にかがみこむ若い女性はリーズ・トレオ。1866年から1872年にかけて彼のほとんどすべての女性像のモデルを務め、一時は彼の恋人でもあった。ここにポーズはない。彼女は目を上げず、針先に心を奪われたまま、ごくありふれた家庭のひとときにいる。ルノワールは背景を暗く保ち、わずかな赤の差し色に全体を託す。髪のリボンと、耳もとの小さな雫のような飾りである。トレオはのちに結婚して四人の子を育て、この一枚ともう一枚のルノワール作品を彼らに遺した。二点はいまダラスにある。




